フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダで、中田璃士(なかた・りお、18歳)がGPデビュー戦で2位に入りました。
ショートプログラム(SP)首位から、あと一歩で優勝を逃した悔しい銀メダル。それでも、世界ジュニア選手権で日本男子初の2連覇を果たした18歳が、シニアの最高峰シリーズでいきなり表彰台に立った事実は大きなニュースです。

さらに大会前には、スケート靴が届かない「ロストバゲージ」騒動まで乗り越えていました。結果と見どころ、そして「中田璃士ってどんな選手?」に答えるプロフィールまでまとめます。
スケートカナダ男子の結果まとめ
| 順位 | 選手 | SP | フリー | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ケビン・エイモズ(フランス) | 90.26 | – | 258.43 |
| 2位 | 中田璃士(日本) | 92.64(1位) | 156.61(4位) | 249.25 |
| 3位 | ミハイル・セレフコ(エストニア) | – | – | 248.66 |
| 6位 | 友野一希(日本) | 85.31(3位) | 137.54 | 222.85 |
SPでは、フライングシットスピンで転倒して得点が無効になるミスがありながら、4回転サルコーと3回転トーループの連続ジャンプなど全てのジャンプを決めて首位発進。「失敗した瞬間は終わったと思いました」「全然1位でもうれしくないです」と、本人は浮かれた様子を見せませんでした。
日本男子2人目となる「GP初出場優勝」(2020年NHK杯の鍵山優真以来)まで、あと一歩のところでした。
フリーで何が起きた?優勝を逃した理由
最終滑走で登場したフリー(曲は昨季から継続の映画『グラディエーター』)。冒頭の4回転サルコーは出来栄え点(GOE)で3.88点の加点を引き出す会心のジャンプでした。
しかし続く4回転トーループと3回転トーループの連続ジャンプで、最初の4回転が2回転に。後半に組み込んだ単独の4回転トーループも2回転になってしまい、得点が伸びませんでした。終盤のトリプルアクセルと3回転ループは決めて意地を見せたものの、フリーは4位の156.61点。SP2位のエイモズに逆転を許しました。
演技後は氷上で膝をつき、キス・アンド・クライでは天を仰いだ中田。本人は「ここで決めきれないのが情けない。本当に悔しい」と話しました。悔しさがにじむ分だけ、この2位の重みが伝わってきます。
なぜすごいのか①世界ジュニア「日本男子初の2連覇」からの即表彰台

中田の実績は、ジュニアではすでに歴史的なものです。
- 2023年12月、ジュニアGPファイナルで優勝
- 世界ジュニア選手権で2025年・2026年と連覇。日本男子初の快挙
- 2024年の全日本選手権では2位に入るなど、ジュニア時代からシニア勢と互角に戦ってきた
年齢制限のため2026年2月のミラノ・コルティナ五輪には出られませんでしたが、その悔しさを抱えて迎えたシニア1年目。9月のシニア国際大会デビュー戦(木下グループ杯)5位を経て、GPデビュー戦でいきなりの表彰台です。「4年後の五輪」に向けたスタートとしては、これ以上ない滑り出しと言えます。
なぜ話題なのか②スケート靴が届かない「ロスバゲ」を乗り越えた
実は今大会、中田は思わぬトラブルに見舞われていました。
現地入りした27日、今季使用しているスケート靴が入ったトランクが届かないロストバゲージが発生。別のトランクに入れていた昨季の靴で調整を続け、今季の靴が手元に届いたのは28日になってからでした。
フィギュアスケートは靴の感触が演技を左右する繊細な競技。それでも本人は「(影響は)あまりないです。洗顔ができなかったくらい」と笑って答えたといいます。この動じなさとユーモアが、SP首位発進の裏側にあったエピソードとして話題になりました。
中田璃士ってどんな選手?父はコーチ、母は英国人
中田は2008年9月8日、母の出身地である英国ウェールズのカーディフで生まれました。父・誠人さんは全日本選手権に4度出場した元選手で、現在は中田のコーチ。3歳でスケートを始めて以来、父と一緒に練習を重ねてきました。キス・アンド・クライで肩を揺すってねぎらう父の姿も、今大会の印象的な場面でした。

9月には『踊る!さんま御殿!!』のフィギュアスケーター特集にも出演し、「4回転は6種類のうち5種類跳べる」と明かしてスタジオを驚かせました。氷上以外でも注目を集める、スター性のある18歳です。
次戦はNHK杯。GPファイナル進出の条件は?

GPシリーズは1人最大2試合に出場でき、順位ごとにポイント(1位15点、2位13点、3位11点…)が付きます。中田は今回の2位で13ポイントを獲得しました。
次戦は第6戦のNHK杯(11月27〜29日、東京)。ここで上位に入れば、2戦合計で上位6人が進出するGPファイナル(12月10〜13日、中国・重慶)が見えてきます。「あと一歩」の悔しさを晴らす舞台は、すぐそこです。
中田璃士プロフィール
| 名前 | 中田 璃士(なかた・りお) |
|---|---|
| 生年月日 | 2008年9月8日(18歳) |
| 出生地 | 英国・ウェールズ カーディフ |
| 身長 | 168cm |
| 所属 | 西武グループ |
| 練習拠点 | 千葉県船橋市(MFフィギュアスケートアカデミー) |
| コーチ | 中田誠人(父) |
| 今季プログラム | SP『Alive』/フリー 映画『グラディエーター』より |
| 主な実績 | 世界ジュニア選手権2連覇(日本男子初)、ジュニアGPファイナル優勝(2023年)、全日本選手権2位(2024年) |
まとめ
中田璃士のスケートカナダは、「あと一歩」の悔しさと「シニアでも通用する」証明が同居した2位でした。ロスバゲを笑い飛ばす度胸、世界ジュニア2連覇の実績、そして父コーチとの二人三脚。話題になる要素がそろった選手です。
次戦NHK杯(11月27〜29日)でGPファイナル進出を決められるか。18歳のシニア1年目から、目が離せません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
出典
- 日刊スポーツ「中田璃士、GPデビュー戦Vならず…4回転にミス出て悔しい2位/スケートカナダ」(2026年11月1日)ほか同紙SP報道
- スポーツ報知、スポーツニッポン、中日スポーツ、時事通信のスケートカナダ男子フリー報道(2026年11月1日)
- 毎日新聞/Yahoo!ニュース「中田璃士『ロスバゲ』影響なし GP初出場Vへ スケートカナダ」
- テレビ朝日ニュース「ロスバゲ乗り越えSP首位の中田璃士」
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